第38章 【番外編】間2
子供以来に、目が赤く腫れるまで泣いてしまった。
先生はずっとそのまま側で抱き締めていてくれた。
私がやっと落ち着いた頃、ちょっとぬるいカフェオレを出してくれる。
ぼろぼろになってしまった自分が少しずつ修復されていくようで、落ち着いた。
「下らない感情だった」
先生は、ぽつりと溢す。
「?」
「大人気ないだろう?」
困ったように笑うと、私にそう問いかけてくる。
「な、何がですか?」
「相談しないで勝手に出ていったお前にイラついた」
「……!」
どう、返事したらいいかわからなくて、もじもじする。
それは、喜んでいいことだろうか…。
「先生……」
「しかも、他のヤツと」
「と、轟くんは…友達…だから」
先生のこの前の怒っていることが、私のことで、何故か凄く嬉しかった。
顔もまともに見れないくらいドキドキして、恥ずかしくて、膝を抱えて隠す。
「そのせいで、追い詰めた。
悪かった…」
「……」
先生の言葉が、ずっしりと、私にのし掛かった。
それは、先生が悪いわけではなくて、私のせいで遠からずそうなってしまったから。
私の遠慮が、逆に迷惑かけてしまっていて、複雑な気持ちだった。
「次は!次はちゃんと言いに行きます…っ!
私も、ごめんなさい…」
「……そうしてくれ」
なんとなく出来てしまった、私からの距離。
それを埋めるようにまた隣に座って、ちょっと擽ったいキスを受け入れる。
それがどこか懐かしくて、嬉しかった。