第36章 【番外編】恋人ごっこ4
おまけ
連休明けの仕事はいつもよりダルい。
いつものように鬱陶しいプレゼントマイクが数倍鬱陶しくなるレベルだ。
昨日の食事は美味かったと思い出しながら、いつもと同じゼリーを啜る。
職員会議の資料を流し見ながら、パソコンの電源を入れ、青画面の「ようこそ」の文字を見つめる。
今週も長い1週間が始まりそうだ。
スケジュール表で日程を確認し、チャイムの音をBGMに朝飯を飲み終えた。
会議での連絡事項を記録していると、鬱陶しい奴が話しかけてくる。
「お前、昨日誰といたんだ?」
昔馴染み故の馴れ馴れしい話し方。
それは変わらないままだ。
「……誰でもいいだろ」
「おいおい、お楽しみの声が筒抜けだったぜ!?」
「……」
そんなに聞こえるような物でもないはずだが、と伸ばしっぱなしの髪をかく。
「まあ、いい年だからな。
そのぐらいの相手、お前にもいるだろう?」
これ以上詮索されるのも面倒だと、適当にあしらいながら教室に向かう準備をする。
「はあ!?抜け駆けかよ……。
つかなんで寮に呼ぶんだ?
お前がホテル取ればいいだろ?」
「…外泊許可が面倒だった」
「まさか、校内の誰かっつーのか!?」
無駄に勘がいいのがムカつく。
「まさか……」
そのまさかを言い当てられる訳にはいかない。
「おい」
「おいおいおいおい……」
まずった、と思い、ひとまずリアクションするのを避けようと違うことを考える。
生徒だとバレただけでも痛手だ。
いくら仲のいい昔馴染みでも、知っている人物は少ないに越したことはない。
「教員ってことかよ!!」
「お前がバカでよかったよ」