第18章 忘れたステージ
1度掴みに行こうと思ったステージがある。
彼等は1度、夢を捨て、自信に溺れた。
メイクと遊び、ライブ準備を疎かにして、
だが、彼女は彼等を元に戻したのだ。
変な口調で、変人だけど、完璧なその腕で彼等に認めさせた。
だから、あの誰もいなくなった練習室が
こんなに賑わっているのだ。
そんな時、ユンギとナムジュンが今回の歌のコンセプトが決まったとメンバーに伝える。
花樣年華……
美しい…青春……ストーリーが込められている。
そんなMVのプロジェクトに
前とは違い、活気が出る中、彼女もいる。
彼女は彼等の為に、必死に悩んだ。
彼等の成功を祈って
「どんなのがいいすかね……取り敢えず、
ナムジュンさんは、設定…貧乏なんすか?」
「そうみたいだね……他の皆、暗めの設定みたいですよ?」
「そこっすよねー……やっぱり、すっぴんに近いメイクにするっすかね〜」
ナムジュンにそう言いながら、
彼女はそれぞれの設定を確認した。
そして、選んでくれた衣装を身に纏うと全員が彼女に近寄って来る。
「ヤ〜!レイちゃん、今回は凄い、皆ラフな感じだね!」
ジンがいち早く近寄って来ると、彼女は笑った。
「だって、少年達の青春っス…なんか、ラフな淡い感じがいい気がしたんスよ!」
「へぇー俺のコンセプト見たんだお前、あ、そうだ……お前にこの曲聞いて欲しいんだわ……」
「え?なんなんすか?ユンギさん?」
首を傾げる彼女にCDを渡す。ユンギ、
それは…まだ、公開してない新しい曲のようだ。
「感想聞かせろ……じゃあな、」
ユンギは去っていき、次に来たのは、ホソクとジミンだ。
「レイちゃん!この衣装格好良いね!」
「うん!なんか、普段ぽくて!」
2人に彼女は笑い、ドヤ顔をした。
「当たり前っす!それぞれのコンセプト考えたんっすから!」
そして、最後に来たのはジョングクとテヒョン彼等は彼女に手を回し、
「パーカなのは?意味があるの?」
「あるっスよ?……テヒョンさんは黒いパーカなのは、黒く染まってしまったという意味で、ジョングクさんは薄めのパーカなのは、どっちにも寄ってないからっス」
彼女はやはり、俺達の事を考えている。
彼等は彼女の言葉全てに感心した