第17章 彼女は人気者
ベクヒョンに言われた事を思い出しながら、
彼等は楽屋に戻ると、抱きつかれている彼女の姿があった。
ここ、俺達の楽屋だよな?
そう疑問に思うのは、目の前に他社のアイドルがいるおかげだからだろうか、
「離れてくれっス……」
「なんでよ!ピョル?!どうして?」
そう彼女の腕を掴んでいるのは、twiceのメンバー達で、
「ヌナ?!なんで?俺達のメイクでいてくれるって言ったじゃん!?」
「嫌、言ってねぇッスね……」
肩を揺らすのは、GOT7だ。
「私達のメンバーになる話は?!」
「嫌、だから、私、メイクっスから……というか、自分らの楽屋に戻ったらどうスかあ?」
そんなのを見ると、彼等は改めて思う。
あぁ、こんなに凄い人が今俺達のメイクなのかと、
そう立ち尽くす彼等へ、彼女は気づくと
彼等を振りほどいて近づいた。
「あ!おかえりなさいっス!!さあ、私は彼等のメイク落とすっスから、さっさと戻って、君達も落として来てくださいっス!!」
彼女は人気者だ。
これはそんな彼女を手にする為のゲーム
だから…皆必死になって彼女を取り合う。
あぁ、このゲームは甘くないのだと、彼等が知るには十分すぎる事だった。