第15章 仲間と彼女
女が彼女の名を聞けば、目を見開き驚いた。
これを見ていたテヒョンは彼女の凄さを改めて感じてしまう。
「桜木…麗」
「レイって……あの天才メイク師のあのピョルさんですか!?」
「あっ……あの…つまり、今はバンタンについてるんですね!!」
彼女は女の嬉しそうな声を聞くと、満面の笑みを女に向ける。
「そう…だから…こんな事しないで…楽しみにしてて…私の噂知ってるでしょ?」
噂とは何か分からないが、女は彼女の噂と聞くと、先程とは違いこう言った。
「はい、楽しみにしています。星のメイクさん…」
テヒョンは思った。あぁ…なんて、この人は彼女は強い人なんだろうと、……
女は彼女との話を終えるとテヒョンに近寄る。
びびったテヒョンだが、彼女は申し訳なさそうに深々と頭をさげて。
「すみませんでした!!!……本当に……でも、応援しているのは本当なんです…会えてよかった……」
女の顔は晴れやかで、テヒョンは彼女との会話を思い出し何処か憂鬱になった。
俺、何やってるのかな……酷いこと沢山言っちゃった……
顔を見上げたテヒョンに彼の気持ちを察してか、彼女が思いっきり彼の頭を叩く。
「なっ!?何するんだよ!」
「うるさいっス!!メイク落とさず出ていったのと、行動に身を任せ過ぎなので、これは罰っすから!!」
彼女が頬を膨らませ、彼を怒れば、
彼は彼女の怒りに頭を抑えながら下を向いた。
「本当だね…俺って馬鹿だな……なんで、あんな事皆に言っちゃったのかな……俺も皆もあの子の事忘れたいはずなのに……」
落ち込み今にも泣きそうな彼…
でも、彼女は何を言ってるんだと呆れ顔にこう言った。
「言って何が悪いんっすか?…」