第12章 彼女の居場所
そう思えば…
何故か彼女を不思議と抱きしめていた。
混乱する2人……
だけど…彼は最後にこれだけは言おうと決めていた。
「貴方は俺が切るまではうちのメイクだ……だから……1人じゃないんです……」
きっとこれは…彼女の深い部分を知れば…
メンバー誰もが思うかもしれない事……
であり、恐らく…キム・ナムジュンとしては
貴方にメンバーの為に……傍にいて欲しいのかもしれない……
だって……今日のステージで君に惹かれたのは…感謝したのは…ARMYだけじゃないから……
「あのっ……ちょっと…恥ずかしんだけど…今度から…俺…君をレイさんって呼んでもいいかな?…」
名前で呼びたかった。
距離を縮めた気がするから……
すると、彼女は笑顔で、少しだけ頬を赤く染めながら小さく呟く
「はい……構いませんけど……
…ナムジュンさんも1人じゃないよ…だからちゃんとメンバーに相談してあげてね……」
「っ…!?」
その姿は妖艶で……可愛くて…ナムジュンの心を少し揺さぶった。
君の言葉は何故だか心地よく感じる…棘もプレッシャーもないからなんだろうか……
でも、なんなんだ……なんで……昨日、今日あっただけの君に……心臓が跳ねるんだろう……高鳴るのだろうか……
きっと抱きしめたりしたから…慣れないことをしたからだ。
そうナムジュンは思った事を否定する。
この変な気持ちは?なんなんだ?
彼がこの気持ちを知るのはもう少し先のお話