第12章 彼女の居場所
1始まりは…コンビニで
それぞれが宿舎の部屋に戻った頃…
ユンギは作業室にすかさず、入って行った。
メンバーは少し心配になる反面……宿舎の外ではあるが…違うフロアに住む彼女の事を思い歩き出す。
「何かを与えてくれるか…」
今日のステージを変えてくれた彼女なら…どんなヒントをくれるだろうか……
ナムジュンはそう顎に手を当てる。
最近…すっかり、詩が思い浮かばなくなって焦ると同時に不安や恐怖が押し寄せてきて中々作れなくなっていた。
怖いと思いつつ…とりあえず、
彼は気分転換に外に飛び出す。。
コンビニに寄って帰ろう…少しは違うはずだ。
そう歩くと、少しだけ…違う雰囲気だが、
何処か凛としている彼女に出くわした。
まさか、会うとは知らず
戸惑うナムジュン…
「あっ…えっと…」
ナムジュンが迷いながら彼女を見ると
…彼女はニッコリと笑い振り返った。
「…こんばんは……プライベートで会うと変な感じしますね…」
プライベートの彼女はメイクしている時とは全然違い…脱力感に充ちていた。
だから話しやすかった。
「そうだね…普通だとだいぶ違うんだ…」
「あー…良く言われますよ…会社の人にね?ナムさんは……何処に行くんです?」
ナムさん…素の彼女に呼ばれると別の人に呼ばれているようで、こそばゆく感じる。
「コンビニ…です…」