第10章 リーダーと謎だらけメイク
「え〜…レイは意地悪だなあ!」
「意地悪って…顔最低な事になるッスよ……落とさないのはアイドルとして、ダメっす!」
2人はまるで友のようで
3人のうちジミンを親友と呼んでいる
テヒョンにとって2人の姿は羨ましくも…少し寂しくも見えた。
彼を心配そうに見つめるナムジュン…は
テヒョン……と内心小さく呟き。
そんな顔の彼に彼女は原因と知らず普通に声をかけた。
「あー…えっと!ナムジュンさん!」
「あっ…はい!」
名を呼ばれ驚くナムジュン
彼の驚きに彼女は微笑みながら……
「あー急に呼んですみませんっス…とりあえず長いので名前ナムさんって読んでもいいでしょか?それともラプさんとか…
いやあ…芸名がいいんだか…他の方も本名でいいのか…曖昧なんっスよね〜
だから…リーダーに許可貰おうかと思ったんッスよ〜」
「は?」
ナムジュンは思わず口を開ける。
テヒョンとユンギはそれに思わず吹き出した。
「お前っ本当…おもしれぇな…
普通そんな全力で、名前の事聞くかよ
っ……つうか、今、言うことじゃねぇし!」
「あはは!レイって面白いんだねぇー!!俺…久々に笑ったよ…あはは!…」
笑う2人につられ、他のメンバーも笑い出す。
「いやあ!やっぱり!アイドルっスねぇ〜笑顔が1番素敵っス!」
彼女は笑いの的にされたのに怒る訳ではなく……ただそう嬉しそうに言った。
最近…なかなか…皆…前のように全員で笑いだしたりとか…
集まって、遊んだりはしなくなった。
だから…全員で笑ったのはかなり久しぶりで……
心があったかくなるのを感じる。
彼女はこの事を何処かで気づいていたのだろうか…
ナムジュンは彼女に向き合い、
自身より小さい彼女を見下ろした。
君は謎だし…まだ、俺はリーダーとして、信頼も出来ないし、君を隣に置くのはきっと悩んでいる。
でも…今だけ…
「名前は…なんでも大丈夫です……そして…ありがとう…」
ナムジュンはお礼が言いたくなった。
彼等に笑顔をくれた彼女に……
ただ単純に感謝したくなったんだ。
彼女はナムジュンの言葉を聞くと…
手を叩きこう言った。
「さあなんの事やら?まぁ…とりあえず、メイク落としましょう! 」