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【イケメン戦国】私の大切な人

第8章 ~奪還、そして想い~⭐信長ルート⭐



ーカラカラカラー


「ぶっ!?」


台所の扉を開け、暗い台所を少し進むと誰かにぶつかる。


「ご、ごめんなさい…」


信長「……か」


「信長様?!何してるんですか?」


驚いたが大声で訪ねると、しっ!と人差し指での唇を押さえる。


信長「騒ぐな。秀吉に見つかってしまうだろう」


「…もしかして…金平糖を取りに?」


信長「そうだ。貴様は何をしに来た?」


「私は…目が覚めたのでお水を飲みに来ただけです」


そう言い、湯呑みに水を注ぐ。


ゆっくりと自分を落ち着かせるように水を飲むと、ふわりと後ろから抱き留められる。


「…っ信長様?!」


余りの突然の出来事に、心臓は煩く鼓動を早める。


信長「…また、あの時の夢を見たのか…?」


ビクッと肩を跳ねさせるをあやすように尋ねる信長の声は優しく、いつもの口調とは全く違っていた。


(……また?)


「……どうして、ですか…?」


信長の腕を拒むこと無く、手元の湯呑みに視線を落とす。


信長「あの日以来、貴様は眠れていないのだろう?俺にそれが見抜けないとでも思ったのか?

…此の所、貴様はまるで消え入りそうな雰囲気を漂わせて居る」


そう言うと、抱き締めていた腕に力を込める。



どうして信長様には全て分かってしまうんだろう…


消えてしまいそうな雰囲気を出してたのは無意識だけど…





こんなに優しい音色で、


こんなに安心できて、


こんなに温かいのを知ってしまうと







もう戻れなくなってしまいそう…






信長「?」


黙ったまま俯いているに信長が声をかけ、その表情を見ようと覗き込んでくる。


「……体についた傷は日が経つにつれて治っていくのに、心が全然追い付いてくれないんです…

頭では大丈夫って思っても、夜になるとあの日の事が甦ってきて…
夢に出てきて…

眠るのが……怖いんです」


ポツリポツリと話すの言葉を静かに聞いていた信長はの持っている湯呑みをやんわり離し台に置くとそのままの体を抱き上げる。
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