第7章 ~奪還、そして想い~
ーーーあの騒動から数日が経ち、目に見える傷などは殆ど消え、顔の腫れも引いていた。
ただ、信長と家康が心配していた通り、心の傷は癒えることはなかった………
いつもなら美味しい!!と言いながら平らげてしまう政宗の手料理もほぼ喉を通らず、
一日の大半を自室前の縁側に腰掛け、あれ程輝いていた瞳は光を失い、ただ遠くを見つめる日々が続いていたのだ。
そんな姿を
静かに見守る者ーー
笑顔を向け声をかける者ーー
優しく髪を撫でる者ーー
それぞれの優しさでの顔に笑顔が戻ることを願うのだった。
そして夜になり寝床に入ると必ず訪れる悪夢ーーー
「っやだ!!止めてっっ!!!」
すごい量の汗をかき、叫びながら飛び起きる事がずっと続いていた。
(またあの夢…)
は息を荒げたままドクンドクンと嫌な音を立てる胸をそっと握る。
(かなり重症だ…水でも飲んで落ち着こう)
ごそごそと布団から出ると台所へ向かう。