第20章 優しい死神くん
〜雅紀side〜
「…このっ…大馬鹿もーーーんっ!!」
雅「…っ…」
あーあ…やっぱり怒られちゃった…
雅「そんなに怒んないでよ、おっちゃん…」
「おっちゃんじゃないっ!『閻魔様』と言えっ!」
…だって…おっちゃんはおっちゃんだもん…
閻「雅紀っ!お前『死神』としての自覚はあるのか!?今日で持ち帰らなかった『魂』は何人目だ!?」
雅「ええ…っと…1人…2人…3人…」
閻「一々数えるなっ!今月に入ってから10人目だっ!」
…何人目だ…って聞いたくせに…
雅「だっておっちゃん…」
閻「おっちゃんと呼ぶなと言ってるだろっ!」
雅「まあまあ…そんなに怒ると血管切れるよ?」
閻「怒らせてるのは誰だっ!この戯け者っ!!」
はーい…俺でーす…
閻「良いかっ!雅紀っ!次に『魂』を持ち帰らなかった時はそれ相応の罰があると覚悟しておけっ!」
雅「はーい…」
はぁ…やっぱり俺って『死神』としては落ちこぼれだよな…
え?何でそんな俺が『死神』になったのかって?
だって誰もなりたくないって言うんだもん…
俺だってやりたくなかったけど、同じ死神の父ちゃん母ちゃんが絶対やれって言うし…
他に取り柄がない俺としては、選択肢がなかったんだよな…