第15章 それぞれの空の下
〜雅紀side〜
翔「面接は以上になります。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
俺達の目の前に座って緊張した表情をしていた人は、やっと落ち着いた表情になってペコリとお辞儀をして事務所を出ていった
智「はあー…疲れた…面接って結構疲れるな…」
翔「やっぱり向こうも緊張してるから、こっちにも伝わって来るね…雅紀どう?」
雅「…へ?どうって?」
智「あのなー…この面接は新しく便利屋を開業する為の面接だぞ?新所長がしっかりしないでどうするんだ」
そう…先日俺達はじいちゃんから、今後の事を言い渡された
智兄は大野グループ次期社長(今はまだ常務だけど)に
翔ちゃんは智兄専属の秘書に
潤は新たにオープンするレストランのオーナーシェフに
和はそのレストランのフロアチーフにそれぞれ決まった
そして俺も、智兄が作った便利屋を引き継ぐ事になり、今日はその為の人員確保の面接だった
翔「で?新所長から見て良さそうな人は?」
雅「んー…皆採用じゃ駄目かな…」
智「アホか。お前それじゃ面接した意味ないだろ」
雅「だって皆仕事したくて必死なんでしょ?それを断るの、なんか可哀想で…」
翔「言っとくが雅紀…この人数全員を雇用したとしても、それに合うだけの依頼がなかったら、結局は無駄な人員として解雇させる様になるんだぞ?」
…そこまで考えてなかった…
やっぱり俺って経営者に向かないよな…