第9章 雪に消えた想い
翔『智のせいじゃない…俺の意思なんだ』
潤「そ…んな…」
翔の言葉を聞いて潤は膝をついて力なく座り込んでしまった
潤「何でだよ…こんな人間の為に…俺を置いて…」
智「…勝手だよ…翔…」
潤「…え…?」
智「お前はそれで良いかもしれないけど、遺された者の気持ちはどうなる!?潤も…俺も…もうお前に会えないなんて…そんなの辛すぎるよ…」
潤「・・・」
俺の言葉に辺りを包む空気から哀しみの感情が伝わってきた
そして…
翔『ごめんね…智…好きになったのが智で良かった…』
智「…俺もだよ…翔…」
翔『ありがとう…』
その言葉を最後に翔の声は途絶えた
そして潤はフラフラと立ち上がって出ていこうとしていた
智「潤…俺と来るか?」
潤「…さっきも言ったが俺達は結界の外では生きられない…それに俺は人間が嫌いだ」
そう言って潤は降りしきる雪の中に消えていった