第1章
「ほらおばあ、乗れよ!」
意気揚々とおばあをおぶったのに、おばあの体が想像以上に軽くって…
見た目にも小さくなっていくおばあが悲しかったけど、こうやって体で実感すると急に現実的になっちまって
たまらず涙が出そうになってうつむいてしまった俺の頭を、ゴツゴツとした優しい手で
「凛にふぇ〜(ありがとう)」
って撫でてくれるもんだから、余計に泣きたくなるのを必死でたえたわ。
おばあの中じゃまだまだ俺は頭を撫でられて喜ぶ(まぁ、実際嬉しいんだけどもさ)ような子供なんだろうな。
「にふぇ〜(ありがとう)凛にふぇ〜でーびる(ありがとね〜)」
って何回も言うおばあにそのままその言葉を返してやりたいよ。