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それぞれの選択肢

第20章 送るという名の拉致





「…ねぇ、あなた熱あるの?」





いつもみたいに何にも考えないで主人公名前の頬を触った。



「…!?」




主人公名前の体がビクっと跳ねる。
それにちょっとビックリした。




「え、まじで熱いですけど。
まさか私の移りました?」





翔さんが驚いたように私を見る。



「え!移したって何!?」





ああもうこの人は。




「…翔さんが考えてるような
ことじゃありません。」




なんかホッとした顔をしていた。
何でよ。










「あ…確かに今体熱くなってきたし、
鼓動が早いですけど…
目眩とか頭痛とか吐き気とか
全くないです。」






「今日なんか変よ。
なんか悪いもの食ったの?」




「…いやぁ、何にも。」




「…とにかく今日は
安静にしてなさい。
メシはまた今度。帰れます?」






「はい、大丈夫です。
なんかすみません。櫻井さんも。」







「いや、俺は全然!
…しかし、やっぱり心配だから
二ノ、主人公苗字さん送って。」









「え!?」




「え、なんすか。そんな驚いて。
私、送るつもりでしたよ?今日車ですし。」






「い、いや!大丈夫です!
帰れます帰れます!一人で帰れます!」








「…めずらしい、遠慮してる。」



「…た、たまには。可愛い自分を・・・」




何言ってんの、この人。



「じゃ、翔さんメシはまた今度。
お疲れっした~。
ほら、主人公名前行きますよ。」




「いや、ほんといいですって!
電車でいけますって!」




ごちゃごちゃうるさい主人公名前を
無視して先にドンドン進んだ。





「お疲れ様~。主人公苗字さん、お大事に~!」





「お、お疲れ様です!
あ、ちょっと!二宮先輩!」


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