第19章 掴めないヤツ
コピー室での一件が大きくて
まだ驚きを隠せないまま喫煙所までやって来た。
いや、なるほどと言えばなるほどなんだけど…。
いつから?
ずっとってことはもう大学の頃とか…?
になると軽く6年くらいは
想い続けてるってこと?
だから彼女を作らない…!
ああ、納得!
にしても主人公名前ちゃんはどうなんだ?
大学時代、彼氏いたっつってたし
二ノが恋のキューピッドっつってたし
むむむっ
これは二ノキツい恋をしてるんではねーか?
にしても全く気付かなかった…。
一本吸い終えてでもまだ足りなくて
もう一本箱から取り出そうとした時
「あ、翔さん。」
「…に、二ノ!」
ご本人登場に驚いて煙草を落としてしまった。
二ノが俺に近づいて足元に転がった煙草を拾う。
「何やってんすか。
そんな大声 出して。」
はい、どうぞと拾った煙草を差し出して俺の隣に腰掛けた。
なんか今頭に安西と主人公名前ちゃんの顔が同時に浮かんだ。
な、なんで俺がこんなヤキモキしてんの。
「あ、さんきゅ…。」
二ノが隣で煙草に火をつける。
「…ねぇ、翔さん。」
「な、何。」
「リーダーと主人公名前、
たぶんなんかあったよ。」
「え!?な、なんかって何!」
だから何で俺がドギマギしてんの。
「んー…わかんない。
さっき休憩所で主人公名前と話してる大野さんが
なんか変だった。」
で、あなたはそれ見て
なんでそんな平然としてるの!
「へ、へぇ…。」
俺はもう黙っていられる状態じゃなかった。
「二ノ、俺は貴方に問いたい。」
死んだ魚の様な目をした二ノが顔をこっちに向けた。
「何すか。」