第17章 新事実
二ノが夢中になっちゃうような子?
「…聞いてる?
私、振られたんだ。和くんに。
ずっと好きな子がいるんだって。」
そう言えばあの日、安西と二ノがデートした日
ちゃんと断ったって言ってた気がする。
でもその理由は彼女作るよりも
楽しいことがあるからだと。
二ノに好きな人がいるなんて初めて知った。
「…そう、なんだ。諦めたの?二ノのこと。」
「…うん、もうキッパリ。
やっぱり違うのよ。
私の前とあの子の前の和くんって。
今日、二人の姿を見て気づいたんだけど、
私が好きになったのはあの子を想う和くんだった。
そう思ったら勝ち目なんて全然無くて
逆にスパッと諦められた。
って、今日の今日まで引きずってたんだけど。
今度傷心祝いして頂戴。」
「おう、任せて。」
「さあて…、私も主人公苗字さんに
負けてらんないわ。」
「え、何でそこ主人公名前ちゃん。」
「なんでって。当たり前のでしょ!
傷心相手に勝ってなんぼよ。」
「だから何でー…」
言いかけた言葉を飲み込んだ。
気付いたことはひとつ。
「…え、嘘…まさか
知らなかった…?」
え、二ノの好きな人って
主人公名前ちゃんだったの?