第16章 次は
二宮先輩が寝た。
んー、寝顔は凄く可愛いのに。
口さえなければなあ。
なんて言ったらまた喧嘩になる。
なんとなく二宮先輩にモヤモヤを話したらスッキリした。昨日のモヤモヤ理由は自分でもよくわからないけど、それでもなんとなく私の気持ちをわかってくれてる気がした。
頭を撫でられた時急にそんな気がして泣きそうになった。
なんで二宮先輩は私のことがわかるんだろう。
いつもそう。
先輩だけが私のことをわかってて、
私は先輩のこと何も知らない。
大切な人がいるなんて知りもしなかった。
だから安西さんのこと・・・
ちょっとは頼って下さいよ、先輩。
勝手に少しふてくされた気分になったので
二宮先輩のおでこに軽くデコピンをした。
「…ん、…」
先輩の顔が少し歪む。
「んふふ」
夢でうなされてください。
あ、いけない、いけない。
相手は病人だった。
つい、うっかり。
「…さてと」
ベッドで横になる二宮先輩を後に
立ち上がろうとした時腕を掴まれた。
「え!?」
「…デコピンしたでしょ。」