第8章 皆以上の
「ん!?なんで主人公名前ちゃんが笑うの!?」
こういう時だけ反応が早いな相葉さんは。
「あ、いえ!何でもないです。」
「主人公名前なんか知ってんでしょ!?」
大野さんが二宮先輩の前に乗り出して私に近づく。
「あ、えっと…」
「………貴方達ですよ。」
ずっと沈黙していた二宮先輩がボソッと呟いた。
「え?」と聞き返す友人1あだなはホントに聞こえなかったんだと思うけど、
「なんて?聞こえねぇよ。」とニヤニヤしながら聞く潤先輩はやっぱりドSだ。
二宮先輩の耳が赤くなっている。
「んもう!だからぁ、彼女作るより
貴方達といる方が楽しいの!
あああああ~!!さっいあく!」
髪の毛をグシャグシャにして
テーブルに顔を伏せる。
また、みんなの顔がポカーンとしている。
こんな先輩見たことない(笑)
ほんと、みんなが好きなんだなあ。
「に、二ノ…。」
「…そんなにオイラのこと…。」
「あ~あ、また相葉くんと大野さん泣いちゃった。」
「え?やっぱりデジャヴ…?」と聞く潤先輩に友人1あだなが笑う。
「あ~…最悪だ。」
しばらく先輩の耳が赤くなったまま、
みんなは嬉しそうに笑っていた。
なんとなく、
なんとなくわかる気がする。
先輩の気持ち。
私もみんなより大切な人なんて
この先できるんだろうか。