第23章 ばかみたい
「先輩…!」
「…」
遠くから走ってくる彼女。
「…」
「…っはぁっはぁ」
確か、さっき私の元から
すごい勢いで逃げてったはず。
その彼女が息を切らして目の前にいる。
ああヤバイ。
辛すぎて幻覚まで…?
「…せ、先輩…すみません、さっきは
混乱で逃げ出しました…。」
キツそうに話し始める。
ああ、幻覚じゃないんだ。
「…わ、わたしさっき気付いたんです。
先輩昨日、ヤキモチ妬いたって
言ってくれました。
それって好きだから、
取られたくないからですよね!?」
「え!?」
え!?何この子!
なんちゅう恥ずかしいこと
言わせようとしてんの!?
「…ち、違うん、ですか…?」
主人公名前はさっきの質問の勢いとは違い
急にショックな顔をする。
「い、いえ!そう!そうです!
誰にでも取られたくないから!
触られたくないから!
俺だけのものでいてほしいから!」
ってなんてこと言ってんすか、私。
ものすご恥ずかしいこと
大声で言ってますけど…
「う、うそ…私、先輩のこと
そんな風に思ってたんだ…」
主人公名前が顔を赤くして
ボソボソと呟く。
「ええ?何!?」
「…あ、いや、その
私…妬いてたんです、ヤキモチ。
先輩と安西さんに。」
「…へ?」