第23章 ばかみたい
あーあ、振られたな。
抱きしめたら告白してた。
んで逃げられた。
やっちまった。
あんなに押し殺してきた
気持ちをあんな簡単に。
あれから30分以上経つのに
ショックすぎて
この場所から動けずにいた。
たぶん通り過ぎていく同じ会社の奴らに
変な目で見られただろう。
でもそれにすら気づかなかった。
「あーあ…、追い詰めたら
意味ないでしょ。」
何時間か前の自分にツッコミを入れる。
明日っからどうしよう。
確実にあの人、
うろたえるんでしょうな。
あーあ、
どうしよう今までみたいに戻れなかったら。
「…はぁ」
ばかみたい。