第22章 私の気持ち

「…ヤキモチ…だ。」





「…え?」









「安西さん…私…
私あの時ほんとは…
ヤキモチ妬いてたんだ…!


二宮先輩と安西さんが
あまりにもお似合いでっ
私の知らない先輩を安西さんが
知ってて…だからだから
だからあの時…!」







そう、だから泣いたんだ。



敵わないって。







私は後輩でしかないって。











「･･･主人公苗字さん、私じゃないわ。」　





「…?」




「…かずくんの
その顔を出したのは、あなたよ。


カッコつけて、
私をエスコートなんてしちゃって、
かずくんのいろんな顔は
あなたが引き出してるのよ。


…ほら、泣かないで?
もう自分がわからないなんて
言わないの。」




「…あ、安西さんっ…!!
ありがとうございます!
本当にっ、ありがとうございます!!」







「ふふっ、今ごめんなさい、
なんて言ったら殴ってやろうと思ってたわ。
主人公苗字さんは、そうでなくっちゃ。

ほら、まだ間に合うわよ。
行ってらっしゃい。」






「…い、行ってきますっ!」






背中を押してもらったら
足取りが軽くなった。




もう、ぶつけるしかない。




初めて感じる、私の気持ち。