第16章 まだ目を見れない〜反撃前夜1〜
『ねぇ…憲兵団さん?仲間だと庇っちゃいけないの?化け物だから?じゃああなた達は仲間を庇わないの?巨人が来ても放置して自分だけ逃げるの?』
さも可笑しいと言いたげに赤い目は細められる
「なっ!」
『庇い、支え、助け合う。当たり前なことでしょう?』
「きっ貴様が銀狼を飼っているのは知っているんだぞ!」
その赤目はスッと細くなる
『呼べば来るけど…呼ぼうか?』
「まっ待て…」
静止を聞かずにアイリスは犬笛を吹くと2階の閲覧席からバンッと銀狼が飛び出してくる
全員がそれに気を取られていると、アイリスはいつの間にか憲兵団の前にいた