第15章 原初的欲求〜トロスト区戦防戦9〜
「知ってたら早く答えろ」
ジャンは立ち止まるとその女性を見た
「分かるか、訓練兵。岩で穴を塞いでからもう二日経っている。それなのに遺体の回収が済んでいない。このままでは伝染病の恐れがある。二次災害は阻止しなければならない。仲間の死を嘆く時間はまだないんだよ。分かったか」
淡々と表情一つ変えず言い切る
ジャン「第104期…訓練兵所属19班班長…マルコ・ボット…!」
「マルコか。名前が分かって良かった。作業を続けよう」
その女性はジャンを置いて歩いて行ってしまった
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サシャも固まっていた