第14章 傷〜トロスト区戦防戦8〜
アイリスとアルミンはエレンに必死に呼びかけていた
『「エレン…エレン…エレン…エレン…エレン?」』
アルミンは外からアイリスは中から声を掛け合う
アルミン「僕達はいつか外の世界を探検するんだろ?」
『この壁の外のずっと遠くには、炎の水や氷の大地、砂の雪原が広がってる』
アルミン「僕の父さんや母さんが行こうとしていた世界だ。忘れたのかと思ってたけど、この話をしなくなったのは僕を調査兵団に行かせたくなかったからだろう?」
エレン「外の…世界…」
エレンが立ち上がるとバサリと毛布が落ちる
『ねぇ、エレン?答えて。壁から一歩外に出れば、そこは地獄の世界なのに、アルミンのお父さんやお母さんの様に無残な死に方をするからもしれないのに…どうしてエレンは外の世界に行きたいと思ったの?』
二人の声掛けにエレンは振り向いた
エレン「どうしてだって…?そんなの決まってるだろ!俺がこの世に生まれたからだ!」
エレンのその一言で幸せだった日常は業火によって消え去った