第12章 応える〜トロスト区戦防戦6〜
「命乞いに貸す耳は無い!目の前で正体を現せておいて今更何を言う!奴が敵でないのなら証拠を出せ!それが出来なければ危険を排除するまでだ」
二人はクッと歯を食いしばった
『「証拠は必要ありません!」』
そう証拠は必要ないのだ
『「そもそも我々が彼をどう認識するのかは問題ではないのです!」』
「何だと!?」
『「大勢の者が彼を見たと聞きました!ならば彼が巨人と戦う姿も見たはずです!周囲の巨人が彼に群がって行く姿も!つまり巨人は彼を我々人類と同じ捕食対象として認識しました!我々がいくら知恵を絞ろうともこの事実だけは動きません!」』
二人の凛とした声が響く