第11章 左腕の行方〜トロスト区戦防戦5〜
ハンジはアイリスをジッと見ていた
その視線を感じながらもアイリスは馬を撫でる
『……そっか…なるほどね』
《怖い…死ぬのが》
『死なないよ』
まるで馬と会話しているようだ
《嫌だ、嫌だ!》
『うん、落ち着いて…大丈夫だから』
自分の額を馬の鼻上に当てる
『いつか死んでいった君の仲間達の為に今を生きるの!その子達の為に少しでも長く!それに馬一頭守れないご主人様なら巨人も倒せないよ。自分の主を信じて!』
アイリスはリヴァイの馬に跨ると違和感を覚えた
『もしかして痛かったんじゃない?』
そう言って轡部分を少し緩める
乗って降りて轡部分を緩めるだけの動作が流れるように美しい