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残酷で美しき世界の中で

第41章 昔話


ヒストリアは静かに話し始める

ヒストリア「私はウォール・ローゼ北部の小さな牧場で産まれました。貴族家領地内にあるレイス家にある牧場です。私は物心ついた時から牧場の手伝いをしていました。母はいつも本を読んでいて、家の仕事をしている姿を見た事はありません。とても美しい人でした。夜になると誰かが馬車で迎えに来て派手に着飾った母を乗せて街に行きました。私にとってはいつもの生活。しかし字の読み書きを覚え、母の真似事で本を読み出した時、私は自分が孤独である事を知りました。どの本にも親は子供に関心を示し、話しかけたり、抱いたり、叱ったりするものとして書かれていたのです。私にはそのどれも経験が無いものでした」

幼いヒストリアは本を読む母の元へ向かう
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