第7章 ◆快楽の奉仕 ★★★★★
長谷部はもうイけそうなところまできていたが、あと一歩というところで留まっていた。
原因はいくつかあり、一つ目はこれ以上奥まで抜き差ししてしまうと主に苦しみを与えてしまうこと、二つ目は彼女の意志で動いているわけではないため吸引力が弱まったこと、3つ目に、もしイッた場合に彼女の口の中に体液が入らないようすぐに離れる心構えをしていること。
彼女への複数の気遣いが、長谷部が絶頂に達することを阻害していたのだ。
彼は理性を失いこうして獣のように彼女を押さえつけながら、頭の片隅では無意識に労ってしまうのである。
─じゅぷっ…じゅぷっ…ちゅぷっ…─
「あっあっあっ…あっあっ…」
長谷部のモノを口で受け止めながらも、主はそれに徐々に気付き始めた。
彼のあえぎ声は、喉の奥に触れたり、少し乱暴に外壁を擦るたびに大きくなっている。
それなのに、長谷部はそこを集中的に攻めるようなことせず、主があまり苦しと感じない動きばかりをしている。
もっと激しく扱って良いのに、優しい彼はこんなときでも自分を思いやっているのだと気づいたのだ。
(…長谷部さん…)
感情的に見えて無意識に理性を保っている彼への尊敬と愛しさが溢れだし、主はこの状況を打開したくなった。
「あっあっあっ…っ、主…!?」
主は咥えたまま、長谷部の腰に抱きつき、離さないようがっしりと固定した。
すると体勢のせいで彼のモノは喉の入り口まで深く入り込み、彼女はさらに頭を振って激しく扱いてみせる。
「あっあっあっあっそんなっ、だめですっ、主っ」
あえて探り出さないようにしていたはずの快感が長谷部に襲いかかってくる。
今度は彼女が意思を持って動かしているため、とてつもない吸引力がかかっていた。
対処しきれないほどの快感に、長谷部は何度も腰をビクつかせる。
しかし主の腕はその腰を一ミリたりとも逃がしはしなかった。