第30章 吐息の味
"バンッ!!"
コト
「キャァッ!!」
雫
「………」
いよいよ、チンピラ共が入ってきた。
チンピラ
「なんだ!なんだ!ガキ連れの若夫婦か!!!」
雫
「………」
なるべく相手を刺激しないように、
そしてコトと子を守るように動じる素振りを見せないようにする。
(こいつらもしかして…隣村もやったか……)
チンピラ
「よぅ!旦那ァ!!その背後に震えてる若い嫁さん
こっちによこしなァ!!!」
雫
「…渡さないよ…」
チンピラ
「んだと!!!?」
コトの引き渡しを拒否した俺に向かって、
一番うるさそうなチンピラが襲いかかってきた。