第27章 初恋の味
更に月日は過ぎ妊娠8ヶ月に突入。
私のお腹もだいぶ大きくなってきて…
前ほどアクティブに動けなくなり必要最低限の家事以外は
1人で縫い物をして過ごす事が増えました。
佐藤
「…できたぁ!」
おかげで赤ちゃん用の肌着とか浴衣とか…
徐々に増えてます。
白夜
「佐藤、散歩に行こう。」
佐藤
「…うん。」
そしてもう1つ変わった事と言えば…
あの菖蒲の葉事件以来…私達の会話は極端に少なくなった…
いや、少なくなったのは私だけ…かも…
やっぱりまだまだ大人になりきれない私。
"テクテクテクッ…"
赤月が照らす農道を、
2人でゆっくり歩く…
佐藤
「………」
(あっ…蛍……)
会話もなく小さな池の横を通り過ぎようとした時、
人間界と変わらない美しさを誇る蛍達が、
疎らに美しく飛び回っている…
その美しさに私は思わず足を止めた。
佐藤
「(*´ω`人*)」
白夜
「…佐藤は蛍が好きか?」
佐藤
「……うん」
白夜
「それではまた明日も見に来よう。
同じ時刻に赴けば必ずまた出逢える。」
佐藤
「…うん」
そして必ず私が喜ぶ事を白夜さんは言ってくれる。