第25章 主夫の憂鬱味
屋台群の中に入ると、
いつも通り向こうから話しかけられた。
妖怪
「あらぁ〜、白夜様。お久しゅうに…
うちのお野菜はいかがですか?」
八百屋のサキだ。
この女は働き者で器量もよく男どもに絶大な人気を誇っている。
白夜
「佐藤、ここの野菜は他の八百屋とひと味違うぞ。
何か食べたい物はあるか?」
俺の背後に隠れるように立っている佐藤に話しかけた。
佐藤
「えと…」
サキ
「あら!白夜様…
もしや背後の女子様は噂の奥様かしら??」
佐藤
「………」
佐藤は"妖怪見知り"を発症中で、(豆助のせい)
衣墨や雫以外の他とは話そうとしなくなっていた。
白夜
「佐藤、サキは怖くないぞ。
きちんと挨拶しな。」
俺は佐藤を前の方に押しやる。
挨拶は大切だからな。
佐藤
「あっ…💦」