第3章 モモ味
?
「冷静になるんだ佐藤。
周りを見てみろ…此処はキミがいた人間界でもないし、
認めたくないとは思うが、俺は妖怪だ…
しかもとびきり凄い大妖怪。」
佐藤
「………」
?
「…信じられない、いまいちピンと来ないなら…
佐藤を頭から呑み込んでみせよう。」
佐藤
「え!?」
突然、声色が変わった?さん。
私は少し冷静になった。
だから、客観的に自分に何が起きているか確認してみる…
私の頭上の高い空は、深い暗闇が広がり…
そして真っ赤な月が浮かび…
月からは真っ赤な血が滴っていて、
どう見ても作り物なんかに見えない。
それに風を感じる。
そよ風よりも強く冷たく…生臭い風を……
決して人工的ではない風を。
私の頭が理解し始めた。
"こんな壮大なドッキリ出来るわけない"って……