第18章 マーブル味
佐藤
「…こんな綺麗な桜を…見せて頂きありがとうございます……
私…最期まで幸せ者ですね……」
衣墨
「それがお前の最期に言い残すことか?」
佐藤
「はい…」
鈴は…
"生きたい…生きて父や母…俺に逢いたい"と嘆いたと聞いた。
衣墨
「お前は…白夜や父や母に逢いたいと言わないのか!?
生きたいと言わないのか!?」
佐藤
「…白夜さんに言われた事があるんです…
地獄に行くような生き方はするなって…
もし私がこの生に未練を残して死んだら…
天国に行けなくなるかも知れない……
そしたら白夜さんとの約束を守れなくなります。
だから……私は……ッ……ゔぅ……」
この女の悲痛な叫びにも似た"言い訳"が、
何故か鈴が最期に残した言葉とよく似ている気がする。