第18章 マーブル味
【佐藤視点】
どのくらい移動したか分からないけれど、
気付いたら桜が満開の綺麗な場所に辿り着いた。
佐藤
「……綺麗……」
衣墨
「なかなかだろ?」
こんなに綺麗に咲き乱れる桜を私は見た事がない。
佐藤
「……はい……」
(綺麗過ぎて……泣きそう…)
"タッタッタッタッタ…"
衣墨
「遠くまで行くなよなー。」
私は衣墨さんから少し離れて大きな桜の木の下にやってきた。
佐藤
「…ふふっ……あはははっ……」
ヒラヒラ舞う桜の花びらがまるで紙吹雪みたいで、
私は両手を広げ受け止めてはすり抜けていく花びらを見送り…
もうすぐ無くなってしまう自分の命に刻み込む。