第18章 マーブル味
白夜
「死んだという事だ。」
拓巳
「!?」
いつの間にか雫くんの後ろに白夜さんが立っていた。
雫
「………」
拓巳
「………」
もう何も言えない…
俺は…末吉に誘導されたのもあるけど…
最後は自分の意思で佐藤を見捨てたのだから。
白夜
「…雫は佐藤の亡骸を探せ…
俺は閻魔に掛け合ってみる。
遅いかも知れぬが…
以前に顔と名前を覚えさせたから
裁きの部屋で足止めしてくれているかも知れぬからな。」
雫
「はい…分かりました。」
拓巳
「なんで佐藤の死体を…」
雫
「魂だけを見つけられても、
戻る身体が無ければ意味がないんだ。」
(そうか…俺の時と同じ…)
白夜
「…佐藤は…馬鹿優しい心を持っていた。
それが魅力的でもあるが…
妖界の世界では"それでは生きて行けぬ"
だから俺は何者かに洗脳…いや…操られている者がいる
庭へとわざと追い出した。
そこで己の優しさには幾分問題がある事を気付かせる為に…」
拓巳
「……………」
白夜
「だが…相変わらずな佐藤は、
拓巳の苦しみを理解し受け入れ着いていった……」
拓巳
「……ッ………」
雫
「…僕たちは流石に佐藤さんの身が危険だからと、
飛び出したけれど……ッ……タイミングよく…
白夜さんは地獄の門で騒ぎが起きて呼び戻され、
僕もまた人間収容所でトラブルが起きたと呼び戻され……
結局佐藤さんを…追えなかった………」
白夜さんは今までに見たことがない表情になる。
普段は深い漆黒の瞳が"金色"に代わりまるで…狐のような目に…
白夜
「拓巳…お前たちを唆したのは衣墨だろう?
お前の身体を元に戻す知恵がある奴は…
そこら辺の妖怪ではまず居ない…」
俺は頷いた
雫
「…佐藤さんが殺された場所に思い当たる場所は?」