第18章 マーブル味
「…拓巳くん…?」
拓巳
「!?」
突然庭の方から雫くんが現れた。
拓巳
「……はぃ…」
雫
「……詳しい事は聞かないけど悪いことは言わない…
君は今はこの家に戻らない方が良い…」
拓巳
「……なんで…ですか……」
理由は分からないわけではない、
恐らく佐藤関係で白夜さんが怒っているんだろう。
雫
「実は…妖怪の男は嫁様を娶ると時に、
嫁様に気づかれぬほどの妖糸(ようし)を嫁様の指に括り付け、
いつでも異変を察知出来るようにするのだけれど…」
(そうか…なるほど…だから……
末吉さんが佐藤を無理矢理連れ去ろうと
機会を伺っていたのに気が付いたた佐藤の心情を察して
仕事を中断して戻って来たのか…)
雫
「その糸が…今さっき外れて戻ってきたみたいなんだ……」
拓巳
「それはいったいどういう意味……」