第17章 青春の味
衣墨
「…あ?なんだって?」
佐藤
「私は捨てられたんです。」
衣墨
「は?それ本当か!?
アイツがお前を捨てただと!!?」
衣墨さんは信じられないようで、
体勢を変えて私の顔を覗き込む。
佐藤
「…そうじゃなかったら……
末吉くんの力で白夜さんから私を奪うなんて…
そんなのは無理だと思いませんか?」
決して末吉くんが弱いわけじゃない…
ただ大妖怪だと名高い白夜さんの力には及ばないと
人間風情の私にだって分かる。
衣墨
「そうか…」
佐藤
「……だからどうぞ殺して下さい……」
私は、目を閉じた。