第17章 青春の味
衣墨
「…さて…と………」
"トスッ…トスッ……トスッ…"
岩場を軽々移動して私の前に立ちはだかる衣墨さん。
バックの赤月がいつもよりヤケに赤く感じる。
佐藤
「………」
衣墨
「…ようやくお前を殺せるチャンスがやってきたぜ…」
"バフッ"
私の腰に手を回すと、
ギュッと引き寄せてきた。
佐藤
「…ッ……殺すなら早く殺して………」
衣墨さんの目を見ずに言った…
衣墨
「そうだな。早く殺らねぇーと"アイツ"に邪魔立てされるからな。」
(アイツ…白夜さんの事…かな?)
佐藤
「…白夜さんの事なら……私のことは捜さないと思います…
私……捨てられちゃったので。」