第16章 あざみ味
私は影の主を確認しようと起き上がり、
寝室に面している縁側を見ると、
ほんの少し開いてる木戸の向こうから
"芝犬の顔"が覗き込んでいた。
佐藤
「末吉くん…どうしたの??
もう遅いから"ハウス"だよ?」
芝犬
「………」
佐藤
「末吉くん??」
様子がおかしい。
柴ちゃんは木扉に頭を挟んだまま私を見ているだけ…
私は心配で布団から出ようとした…その時…
…バサッ…
佐藤
「きゃっ!!」
(痛っ…)
佐藤
「……ッ……」
驚いて閉じてしまった目を開けると…
佐藤
「白夜さん!?」
白夜さんが私を押し倒していた。
白夜
「…俺が居ない間に勝手に末吉を敷地内に入れたな…」
私の頭を撫でながら、
末吉くんを見つめる白夜さん。
佐藤
「…あの!これには訳が……
ねっ…雫くん!!」
私は隣の部屋にいる雫くんに叫んだ…けど…
白夜
「…おい…旦那に押し倒されているというのに
他の男の名を呼ぶ奴があるか…」
"グイッ"と顎を掴まれて白夜さんの顔を見せられる。
佐藤
「////」
綺麗な整った顔がそこにあった。
白夜
「雫…あれはどういうことだ。」※あれとは末吉のことです