• テキストサイズ

Hortensia ◇◆イケ戦コラボ◆◇

第2章 蒼緋之紫陽花



「昨日、悪かったな」

「仕方ないよ、お仕事だもん」

「詫びに、これ作ってきた。食うか?」

「わ!リンゴ飴!」

御殿に着いて政宗が差し出したのは、小さな紅いリンゴ飴。ツヤツヤした輝きは、宝石のようだった。

「ヒメリンゴだから、中はあまり甘くないが、これなら腹も膨れないだろ?」

「うん、ありがと!」

リンゴ飴を一舐めすると、ツルツルした表面から甘さが溢れ出す。政宗はずっと、そばで団扇を扇いでいてくれた。

「それ食ったら、川に行くぞ」

「かわに?」

「この時期、蛍が飛ぶんだ。綺麗だからな。お前と見たかった」

「..!うんっ!」

(蛍って、初めて見るなぁ。なんかワクワクしてきた!)

「お前、ホントに分かりやすいな」

「え?」

「楽しみで仕方ないって顔してる」

「んふふ、だってそうだもん」





まさか秀吉が項垂れているとは露知らず、と政宗は、まだ暑ぼったい夏の夜を満喫した。



/ 7ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp