第2章 蒼緋之紫陽花
政宗がを連れ出して城から出た頃、秀吉が針子部屋を訪れていた。
(のやつ、ちゃんと吹っ切れてればいいが.....。俺なら政宗と違って、を傷つけたりしない)
「ー、いるかー?」
「あ、秀吉さま。さまなら、政宗さまと逢瀬に行かれましたよ」
「はぁ!?政宗と逢瀬に!?だって、あいつフラれたって......!」
「え?」
「え?」
「あの二人、恋仲ですよ?」
「え?」
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よくよく針子の話しを聞くと、つまりはこうだ。
昨日の祭りに、政宗と出掛けるはずだったのが、急な仕事で行けなくなり。
針子仲間もそれぞれ行く相手がおり、誰とも行けないと笑っていたらしい。
俺が聞いたのは、そんな針子との会話。
『あーぁ。お祭り行きたかったなぁ』
『さま、(今日はみんなから)フラれちゃいましたね』
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「............」
「秀吉さま.....乙です.......」