第1章 東の海
みかん畑に普通の平屋の一軒家。
それが私達三姉妹の家、ベルメールさんとの大切な思い出の家。
ナミはそっとテーブルに彫った船の絵と、自分の名前を華奢で白い指でなぞる。
「ナミ、ルフィ達が待ってるんじゃない?家にいていいの?」
「うん・・・・・・、そろそろ行かないとね」
ゆっくりと名残惜しそうに手を離し、ドアの方へ向き直る。
ドアのそばに立っていたノジコが、スッとナミに歩み寄りながら
「ほらっ!」
「こ、これ!」
「持ってきな」
ポンッとキラリと光るものを投げた。
それをキャッチしたナミの手の中にあるのは、
ノジコが常に身につけていた、光り輝く金色の腕輪だった。