第2章 一番に貴方へ▽浮竹 十四郎
「たーーいちょーー!隊長ーーっ!」
この元気な声は…
「浮竹隊長…っ!」
ばたんっと大きな音をたてて襖を開けた彼女は肩を上下にさせて此方を見ている
それから、布団に寝転ぶ俺を見てはっとしたように両手で口を覆う彼女の行動に思わず笑ってしまう
「すみません、大きな声を出して…大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。気にするな」
そう返すと彼女は安心したように笑み、ゆっくりと襖を閉じて畳の上に座るのを見れば上体を起こす
「それで?何かあったのか?」
「あ、そうでした…!」
思い出したように彼女が両手を叩いた
「私、一ヶ月の現世駐在任務に行く事になりました!なので、虚をびしばし斬って自分を鍛えて浮竹隊長に相応しい女性になって帰ってきます!」