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▽BLEACH▽それぞれの恋

第1章 隠した嫉妬▽朽木 白哉





「あ、あの…白哉さん」


「何だ?」


彼の低くゆったりとした声が私の耳を擽る。


「どうして、ここに?」


「……浮竹に花が咲いている所を聞いたら、ここを教えられ…連れてきた」


「嬉しいです」


だから、あんな言い方したんだ。
…完璧なのに、どこか不器用な彼のそんな所が大好きだ。
少しだけ余裕が出来れば彼の胸元に自分の背中を預けてみる。


「…聞いても良いか」


「はい?」


「恋次と何を話していた?」


「え、恋次と…」


聞かれれば何を話していたのかを思い出すように思考を巡らせ


「あぁ、白哉さんのお話を」


「私の?」


「はい」


内容は…子供っぽいし恥ずかしいから言わない。
私の目を見てそれを察したらしい白哉さんは、そうか…と一言発して口角をあげた。


「白哉さん」


「何だ?」


「大好きです」


「あぁ、私もだ」


駄目です、白哉さん。
今日はそれだけじゃ満足出来ないのです。


「白哉さん」


「……、私も好きだよ」


「ふふっ」


嬉しくてだらしなく緩む頬に、白哉さんの綺麗な手が添えられ親指が擽る様に頬骨を何度もなぞる。


「恋次の頬に触れておったな」


「…妬きますか?」


「妬かぬわ」


「でも、さっきから恋次の事ばかりです。……私、妬いちゃいます」


お互いの距離が近いため囁くようになる。
だからなのか、艶のある白哉さんの声がいつもより艶がある様に感じてしまう。


私がそう告げると、ふっと笑みを溢す白哉さんに見惚れてしまう。


「今度は私と…甘味処へ行こう」


「やっぱり妬いてる」


「…くだらん」


今度はさっきと違う、優しく微笑みながら僅かに頬を染める貴重な表情を焼き付けるように見詰める。


「絶対に行きましょうね」


「あぁ」


そして、私と彼の唇の距離は無くなった。


甘味処で二人で座る想像が簡単には出来ないが、それが現実になるのを楽しみにしながら再び綺麗な花を眺めた。





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