第8章 美しい貴方▽綾瀬川 弓親
でもさ?不意打ちでそんな事を言うのは狡いと思う
心臓が痛いよ、ゆみちー
「僕はね最初に君と出会った時、美しくて憎かったよ」
「な、何ですか…そのカミングアウト」
軽く落ち込むよ…?
「流魂街に咲く一輪の花かと思った」
何の…話?
どんな顔をして聞いて良いのか分からなくて、きっと微妙な顔をしてるんだと思う
「悔しかったよ、気付いたら声を掛けてていつの間にか三人で一緒に居る事が多くなった…僕の視界にも心にも君でいっぱいだよ、昔も今も」
「ゆみちー…?」
「全てが美しい…君が、千穂が好きだよ」
……夢、じゃないよね
現実なんだよね?
あほっぽいかな、なんて思ったけど
さっき寝てた事もあって夢かもと思い頬を思い切り引っ張る
「痛い!痛いよ、ゆみちー!これ夢じゃない!」
「……こんな時まで君は何を言っているんだい?」
「だって、私もゆみちーが好きだから…夢だったら嫌だなって」
ゆっくりと開かれていく彼の綺麗な目。
けど、すぐに優しいものになり
「君に告白する時はこう言おうとか、考えていたけど…いざするとなると醜くなってしまうな」
彼らしくない言葉だな
「ううん!美しいよ、ゆみちーは全部が美しい!」
「ありがとう、千穂」
そして、優しく抱き締めてくれるゆみちー
いつか恋人として、は今日だったみたい。
昔も今も…これからも、ずっと貴方が好きだよ