第5章 甘い報告書▽浦原 喜助
私は彼が好きだった。
…訂正。今でも、好き。
だけど、もう会えない
彼には、もう会えない
――――…そう、思っていた
「へ…え、あれっ?」
だから、間抜けな声が唇から溢れる
「き、すけ…?」
「おやー?千穂サンじゃないッスか」
呑気な声で私を見て言う彼の状態に口角をひきつらせてしまう
「……何、してるの?ソンナトコデ」
「日向ぼっこッス」
あの日から会えないと思っていた人を現世の…『浦原商店』と書かれた屋根の上に
死覇装に隊長羽織じゃない姿もかっこいい…
いや!そうじゃなくて!
「そうだ、丁度良い」
「はい?」
「少し付き合ってもらっても良いッスか?」
「はぁ…?」
何かを企んでいる彼の笑顔に疑問符を浮かせながらも小さく頷いた