第4章 満月の日に▽吉良 イヅル
「らーんぎくさーん」
「何々、どうしたのよ」
「イヅルくんがぁ」
「まーたイヅルゥ?」
「あい…」
「さっさと告白しちゃいなさいよ」
「む、無理ですよ…!」
私の弱気な発言に、唇を尖らせる乱菊さん
乱菊さんは良く相談に乗ってくれるし、お酒も二人で飲んだりもする
所謂、姉御的存在。
「何で無理って決め付けんの」
「だって、イヅルくんは…雛森さんが」
「だーったら何だって言うのよ」
そう言って、ぐいっとお酒を煽る
「んん…乱菊さんくらい綺麗だったら自信持てるんですけど…」
肩を落としながら呟いて、真似をするようにぐいっとお酒を煽る
「何でよ、あんた可愛いじゃない」
「かわ…っ」
乱菊さんに褒められると嬉しくて、ついつい頬が緩んでしまう
「可愛い反応しちゃって!」
くしゃっと私の髪を撫でる乱菊さんを見詰める。
本当に素敵な人。
綺麗で優しくて…それでいて強い。
私もこんな人になりたい
って、弱気になってちゃ駄目だ!
そんな考えを打ち消すようにお酒を何度も喉に通す