第3章 そんな貴方でも▽京楽 春水
「はい、分かりました」
「お願いね」
「七緒ちゃーん」
「京楽隊長」
「何してたの?探しちゃったよー」
絶対に気付いてるよね、この人
「あ、あの…京楽隊長」
あーぁ、ほら。七緒ちゃんが困ってる
「ん?おや、千穂ちゃん。居たのかい」
「……」
「佐々仮隊長…っ」
「うっ、痛い…」
顔を寄せた春水さん…いや、京楽隊長の鼻を思い切り摘まんでやった
「気付いてましたよね?」
「え、そんな事ないよー」
「気付いてましたよね?」
「えっ…とぉ……、うん」
はぁっと大袈裟に溜め息をついてから、引っ張るように鼻から手を離す
「いったいよ、もう」
拗ねた様に頬を膨らませる彼を、一度見てから立ち上がるとその場を無言で立ち去った