第2章 一番に貴方へ▽浮竹 十四郎
「帰ってきたら、一緒に茶を啜ろう」
俺のその言葉に嬉しそうに笑う千穂の髪を撫でる
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「たーーいちょーー!隊長ーーっ!」
縁側に腰掛けていると一ヶ月前にも聞いた元気な声と走ってくる姿に、こっそり安心してしまう
「たい…っ…隊長っ」
「落ち着け。ほら、深呼吸」
俺の言葉に従って深呼吸をする千穂を見詰める。
それから、落ち着いた彼女が俺の隣に足を放り出して腰を掛ける
「今日は体調が宜しいんですか?」
その言葉に軽く頷く。
それに安心した表情を浮かべたが、すぐに満面の笑みを浮かべて
「浮竹隊長、ただいま戻りました」
「あぁ、おかえり。現世はどうだった?」
「こーひー、とか言うどす黒い飲み物はとても苦く私にはお茶が一番だと思いました!」
何とも彼女らしい答えに肩を揺らして笑っていたら、とんっとその肩に凭れ掛かってきた彼女の肩に腕を回す
茶を啜ろう、そう声を掛けようとしたが
「………」
「寝ちまったか」
どうやら疲れが溜まっていたらしい千穂はそのまま規則正しい寝息をたてていた
「お疲れ、千穂……おやすみ」
「…うき、たけ…たいちょ…」
そんな寝言を漏らす可愛い唇に自分の唇を静かに重ねた。